テレワークできる就労継続支援B型事業所の開業で知っておきたいこと
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- 2025年12月10日
- 読了時間: 12分
この記事では、障害や体調の理由で外出が難しい方への障害福祉サービスである、テレワークで利用できる就労継続支援B型事業所について解説します。制度の内容や生産活動の具体例まで詳しくご紹介いたします。
テレワークと取り入れた就労継続支援B型 事業所とは?
テレワークを取り入れた就労継続支援B型事業所は、障害や体調の理由で通所が難しい方でも自宅で作業ができる障害福祉サービスです。
従来のB型事業所での作業に加え、パソコンや郵送などを活用した在宅ワークが認められています。週に数回の通所や、支援員との定期的な連絡を組み合わせることで、無理なく働き続けることが可能です。
対象は障害により一般企業での就労が困難な方や、体調の波がある方など幅広く、個々の状況に合わせた柔軟な支援を在宅で提供しているのが特徴です。
就労継続支援B型の制度内容と在宅ワークの関係
就労継続支援B型は、障害や難病などの理由で一般就労が難しい方に、働く場と訓練の機会を提供する福祉サービスです。近年はテレワーク(在宅就労)への対応が進み、事業所に通うことが難しい方でも自宅で作業ができるようになりました。
テレワークに限られたことではありませんが、事業所は利用者との連絡や支援体制を整え、安心して利用できる体制と構築する必要があります。またテレワークであって、利用者に工賃(報酬)を支払うため、生産活動を提供することが求められています。
就労継続支援B型の特徴とA型・就労移行支援との違い
就労継続支援B型は、A型や就労移行支援と比べて利用者にとって、利用条件が柔軟で、体調や障害の程度に合わせて無理なく利用できる福祉サービスとなっています。
一方、就労継続支援A型は、利用者と雇用契約を結び、最低賃金以上の報酬を利用者に支払わなければなりません。雇用契約が不要で、最低賃金という制約が求められないB型は、利用者にとっても事業者にとっても、無理のない制度と言えるでしょう。
同一法人で、就労継続支援A型とB型を併設することもできます。その場合、A型のサービスを提供する利用者と、B型のサービスを提供する利用者に利用者の配置を割り振ります。それぞれの利用者に対して適切な生産活動を提供することが、利用者に不公平だと感じさせないポイントです。
就労移行支援は一般就労を目指す訓練が中心です。就労移行支援においてもテレワークを導入することは可能ですが、生産活動よりも利用者の一般就労を支援するサービスであるという点で就労継続支援B型とは異なっています。
また、就労継続支援B型は就労移行支援を利用しても一般就労に結びつかなかった障害者の受け皿としても役割もあります。事業所開業の際には、そういった方の受入れも可能であることも理解しておきましょう。
対象となる障害・体調や利用者の具体的なイメージ
テレワークできる就労継続支援B型の対象となるのは、精神障害、知的障害、発達障害、身体障害、難病など、さまざまな障害や体調の課題を抱える方です。
たとえば、うつ病や統合失調症で外出が難しい方、体力に自信がない方、発達障害で人混みが苦手な方などが利用しています。また、病状の波があり安定して通所できない方も対象者となります。
自宅で自分のペースで作業したい方にとって、テレワークで利用できるB型は大きな支えとなります。
就労継続支援B型でテレワークを可能にするためのポイント
就労継続支援B型でテレワークを導入するには、いくつかの条件や要件を満たす必要があります。
主に、利用者の障害区分や医師の意見、在宅での作業環境の整備、本人の希望や適性などが確認されます。また、自治体や事業所によって細かな基準が異なる場合があるため、事前に相談しながら準備を進めることが大切です。
事業主は利用者と一緒に生産活動の内容や支援体制について話し合い、無理のない利用計画を立てることが重要なポイントとなります。
テレワーク開始に必要な要件と障害区分
テレワークを開始するには、障害者手帳や医師の診断書などで障害区分が確認されることが基本です。また、在宅での作業が利用者の体調や生活状況に合っているか、支援員や医師の意見も重要視されます。
自治体によっては、在宅利用の理由や必要性を明確にする申立書の提出が求められる場合もあります。これらの要件を満たすことで、利用者は安心して在宅ワークを始めることができます。
パソコンや作業環境や本人の状況を確認
テレワークの導入にあたって、利用者の自宅にパソコンやインターネット環境、ソフトウェアなどを整えておかなければなりません。事業所によっては、作業に必要なパソコンやソフトウェアの提供を行っていることもあります。
また、本人が自宅で作業を継続できるか、集中力や生活リズム、家族の協力体制なども確認されます。必要に応じて、支援員が作業環境のアドバイスやサポートを行うこともあります。
通所とテレワークの併用も可能
テレワークは、作業時間やペースを自分で調整できるのが大きなメリットです。体調の波がある利用者には、無理のない範囲での利用を促すことも必要です。
また、通所とテレワークを組み合わせて利用することも可能で、週に数回だけ通所し、残りは在宅で作業するなど柔軟な働き方が選べます。
テレワークでできる作業内容・仕事例
就労継続支援B型では、パソコンを使った作業や軽作業など、さまざまな仕事が用意されています。テレワークを導入しているB型では、データ入力や文章作成、イラスト・デザイン、ネットショップの運営補助など、在宅でもやりやすい作業を導入しているところも多くあります。
また、郵送による内職作業や、手作業を中心とした軽作業も選択可能です。
事業所は、どのような作業を生産活動として提供するのかよく吟味しなければなりません。それに加えて、利用者のニーズを満たせる生産活動を選択することも、利用者から選ばれる事業所づくりには欠かせません。
事業所・スタッフによる在宅支援内容と連絡方法(電話・PC等)
テレワークを行う際は、事業所や支援スタッフが利用者に定期的に連絡やサポートを行わなければなりません。
具体的には、電話やメール、ビデオ通話、チャットツールなど、さまざまな方法でコミュニケーションを取ることができます。
作業の進捗確認や困りごとの相談、体調のチェックなど、在宅でも安心して作業できるような支援体制を整えましょう。必要に応じて、支援員が自宅を訪問する場合もあります。
利用者の訓練・スキル向上サポートと安心の仕組み
テレワークを導入している就労継続支援B型であっても、就労に向けて利用者のスキルアップや訓練にも力を入れることが求められます。
たとえば、パソコン操作やビジネスマナー、コミュニケーションスキルなど、在宅でも学べる研修や講座を用意することは、その一例です。
また、作業のフィードバックや目標設定を通じて、着実にスキルを伸ばす仕組みづくりも必要でしょう。困ったときはいつでも支援員に相談できる安心の体制を整えると、利用者は安心してサービスを利用できます。
就労継続支援B型テレワークの工賃・報酬体系を徹底解説
就労継続支援B型では、テレワークでも利用者に工賃(報酬)を支払います。
工賃は作業内容や作業量、事業所の方針によって異なりますが、テレワークでも通所と同様に評価する仕組みを整えましょう。
利用者が安心して働き続けられるよう、工賃アップの取り組みも行政を主体に進められています。
テレワークの場合の工賃はどう決まる?支払の流れと相場
在宅勤務の工賃は、作業の成果や作業時間、事業所の評価基準によって決まります。
多くの事業所では、月末に作業内容を集計し、翌月に工賃が支払われる流れです。
就労継続支援B型の工賃の全国平均は月額2万円程度ですが、作業内容や事業所によって大きな差があります。工賃の違いは、利用者が行っている生産活動の内容や、取引先の会社の違いによって発生します。高工賃な生産活動の獲得には、事業所の営業努力も必須です。
できるだけ高単価な生産活動を受注して、利用者に作業をしてもらうことで、高工賃を維持できる事業所運営が可能となります。
工賃・報酬基準
工賃や報酬の基準は、厚生労働省の方針や自治体ごとのルールに基づいて決められています。厚生労働省は、B型事業所の工賃向上を目指して支援策を強化しており、自治体も独自の補助や基準を設けている場合があります。
テレワークの場合も通所型のB型と同様に基準に工賃を支払うことが一般的です。
利用者が安心して作業に取り組めるように、事業者は最新の基準や補助制度について国や自治体によく確認しましょう。
B型事業所の工賃アップの取り組みと工夫
多くのB型では、利用者の工賃アップを目指してさまざまな工夫を行っています。
例えば、パソコン作業やデザイン業務など高単価の仕事を増やしたり、企業からの受託業務を拡大したりしています。
また、利用者のスキルアップ支援や、作業効率を高めるための研修も積極的に実施されています。これらの取り組みにより、テレワークでも安定した工賃を得られる環境が整いつつあります。
またB型には目標工賃達成加算という加算制度があります。具体的には、前年度の工賃の実績が前々年度以上であると、規定の単位の報酬が上乗せされる制度です。目標工賃達成指導員の配置などの要件があり、詳しくは厚生労働省のWebサイトなどで確認してください。
安心してテレワークを利用できるサポート体制
テレワーク利用時には、在宅ならではの不安や悩みに対応するためのサポート体制を整えておくと良いでしょう。
たとえば、支援員が定期的に連絡を取り、作業の進捗や体調を確認したり、訓練や就職支援、生活リズムの調整など、利用者一人ひとりに合わせたきめ細やかなサポートが受けられたりする体制づくりなどです。
トラブルが発生しても、迅速に対応できる仕組みがあれば、利用者は安心して在宅ワークを続けることができます。
訓練・就職支援、一般企業につなげるステップ
就労継続支援B型の利用者の中には、将来就労を目指している方もいます。そのため、テレワークであっても、就職に向けた支援を提供すると、利用者から高い満足度が得られるでしょう。
たとえば、パソコンスキルやビジネスマナーの研修、履歴書の書き方や面接練習など、一般企業への就職を目指すサポートも充実させるなどです。
就労継続支援B型から一般就労だけでなく、A型事業所への就職や、就労移行支援の利用の開始など、利用者のステップアップの手段はいくつもあります。
支援員が一人ひとりの利用者の目標に合わせてサポートすることで、利用者の就労支援というサービスが実現すると同時に、事業所の価値も高まります。
体調や生活リズムを配慮した支援・トラブル対応
テレワークでは、体調や生活リズムの変化に柔軟に対応できる支援が重要です。支援員は、利用者の体調や生活状況を定期的に確認し、無理のない作業計画を一緒に立てましょう。
トラブルや体調不良があった場合も、迅速に対応し、必要に応じて医療機関や関係機関と連携します。利用者が安心して長く働き続けられるような事業所では、きめ細やかなサポート体制が整っています。
就労継続支援B型で充実したテレワークを提供するために
テレワークで利用できる就労継続支援B型は、障害や体調の理由で通所が難しい方でも、自宅で安心して働ける新しい選択肢です。
開業にあたっては、申請や利用条件、工賃を発生させる生産活動の内容、サポート体制など、事前にしっかり情報を集めて準備することが大切です。
利用者にとって、充実したサービスを提供できる事業所づくりを目指して、健全な運営を心がけましょう。
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この記事でよくある質問と回答
この記事に関することで、よくある質問と回答をまとめました。
Q1. どのような障害や状態の人が、テレワークでの就労継続支援B型を利用できますか? |
A1. 精神障害、知的障害、発達障害、身体障害、難病など、さまざまな障害をお持ちの方が対象です。具体的には、うつ病などで外出が難しい方、体力に自信がない方、人混みが苦手な方などが利用されています。また、体調に波があり安定して通所することが難しい方も、自宅で自分のペースで作業ができるため対象となります。 |
Q2. 自宅にパソコンやインターネット環境がない場合でも利用できますか? |
A2. テレワークを行うためには、原則としてご自宅にパソコンやインターネット環境、必要なソフトウェアなどを整える必要があります。ただし、事業所によっては作業に必要なパソコンやソフトウェアの貸出・提供を行っている場合もありますので、まずは事業所へご相談ください。 |
Q3. 完全在宅ではなく、通所と併用することは可能ですか? |
A3. はい、可能です。利用者のニーズに合わせて、通所とテレワークを組み合わせてサービスを提供することができます。利用者にとっては、体調やリズムに合わせて無理なく利用を継続できるのが大きなメリットです。 |
Q4. 在宅ワークの場合、工賃(報酬)はどのように支払いますか? |
A4. テレワークであっても、通所と同様に工賃を支払います。金額は作業の成果や作業時間、事業所の評価基準によって決定します。一般的には、月末に作業内容を集計し、翌月に支払われる流れとなります。 |
Q5. 自宅で作業している利用者から質問や相談がある場合、どのようなサポートが必要ですか? |
A5. 電話、メール、ビデオ通話、チャットツールなどを用いて、支援員と定期的に連絡を取るのが望ましいでしょう。必要に応じて支援員が自宅を訪問することもあります。バーチャルオフィスなどのツールを導入している事業所も多くあります。 |





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